2021年(第44回)の日本アカデミー賞の受賞結果の一覧です。 独立系の秀作「ミッドナイトスワン」と主演・草なぎ剛の華麗なるダブル受賞劇。そして、歴史的悲劇となった「水川あさみ事件」。
部門 | 受賞 | 詳細 |
---|---|---|
作品賞 | 「ミッドナイトスワン」 | 詳細↓ |
主演男優賞 |
草彅剛
「ミッドナイトスワン」 |
詳細↓ |
主演女優賞 |
長澤まさみ
「MOTHER マザー」 |
詳細↓ |
助演男優賞 |
渡辺謙
「Fukushima 50」 |
詳細↓ |
助演女優賞 |
黒木華
「浅田家!」 |
詳細↓ |
アニメ賞 | 「鬼滅の刃(きめつのやいば)無限列車編」 | 詳細↓ |
他の映画賞で輝かしい受賞歴を収めながら、日本アカデミー賞2021では全くノミネートされなかった秀作です。
作品名 | 受賞歴 |
---|---|
「スパイの妻」
配給:ビターエンド 監督:黒沢清 【配信:アマゾン】 |
■ベネチア国際映画祭 監督賞
■アジア映画大賞 作品賞、主演女優賞(蒼井優)など ■キネマ旬報 作品賞(日本映画1位)、脚本賞 ■日刊スポーツ映画大賞 監督賞 ■新藤兼人賞 プロデューサー賞 |
「37セカンズ」
配給:エレファントハウス 監督:HIKARI 【配信:Netflix】 |
■ベルリン国際映画祭パノラマ部門 観客賞&国際アートシアター連盟賞
■日本映画プロフェッショナル大賞 監督賞&ベストテン2位 ■キネマ旬報ベストテン日本映画6位 ■日刊スポーツ映画大賞 助演女優賞(渡辺真起子) ■毎日映画コンクール 新人賞(佳山明) ■TAMA映画祭 新進監督賞 ■新藤兼人賞 金賞 ■日本映画監督協会新人賞 ■日本映画批評家大賞 新人監督賞、新人女優賞(佳山明) |
「本気のしるし」
配給:ラビットハウス 監督:深田晃司 【配信:アマゾン】 |
■日本映画プロフェッショナル大賞 作品賞
■カンヌ国際映画祭 公式出品選出 ■平遥国際映画祭(中国)作品賞ノミネート ■フェロー諸島映画祭(デンマーク)4部門ノミネート(監督賞、主演男優賞、新人賞、脚色賞) ■アジアコンテンツアワード新人賞(森崎ウィン) ■キネマ旬報賞 日本映画5位、助演男優賞(宇野祥平) ■ヨコハマ映画祭 助演男優賞(宇野祥平) |
「喜劇 愛妻物語」
配給:バンダイナムコアーツ、キューテック 監督:足立紳 【配信:アマゾン】 |
■毎日映画コンクール 主演女優賞(水川あさみ)
■キネマ旬報ベストテン 主演女優賞(水川あさみ)、日本映画8位 ■ヨコハマ映画祭 作品賞2位、脚本賞、主演女優賞(水川あさみ) ■TAMA映画祭 最優秀男優賞(濱田岳)、最優秀女優賞(水川あさみ) ■東京国際映画祭 脚本賞 ■日本映画プロフェッショナル大賞 ベストテン9位 |
「アルプススタンドのはしの方」
配給:スポッテッドプロダクションズ 監督:城定秀夫 【配信:アマゾン】 |
■日本映画プロフェッショナル大賞 監督賞、ベストテン3位
■キネマ旬報ベストテン日本映画10位 ■ヨコハマ映画祭 作品賞6位、監督賞 ■TAMA映画祭 特別賞 |
草なぎ剛主演の「ミッドナイトスワン」が作品賞を受賞しました。 独立系の作品ながら、映画ファンからの圧倒的な支持と高評価を背景に、 松竹などの大手映画会社が猛烈にプッシュする「Fukushima 50」と「罪の声」を破りました。 ミッドナイトスワンは、主演男優賞(草なぎ剛)も獲得しました。
日本アカデミー賞はもともと、大手の映画会社(松竹、東宝、東映)が圧倒的に有利な賞です。 2021年も例外ではなく、大手の作品が優遇されるノミネート結果となりました。 そのぶん、独立系の良作や出演者がノミネートから外されました。 独立系で作品賞にノミネートされたのは、「ミッドナイトスワン」だけでした。
2021年の日アカのノミネートは、とくに松竹、東宝のごり押しぶりが目立ちました。 他の映画賞を受賞した有力作品・人物をおしのけて、松竹と東宝の配給映画がノミネート枠の多くを占拠しました。 以下の通り、データで比較すると、日本アカのノミネートに占める松竹・東宝の割合の高さが一目瞭然です。 古い歴史があり、審査・選考プロセスの透明性が高いことで知られる「毎日映画コンクール」では、 松竹作品の割合はわずか4.9%でした。しかし、日アカでは36.8%という驚異的な数字でした。
日本アカデミー賞 (2021年) |
毎日映画コンクール (2021年) |
|
---|---|---|
松竹作品の割合 | 36.8% | 4.9% |
東宝作品の割合 | 39.4% | 8.6% |
※注記:外国映画賞は除外。毎日コンのアニメ賞は短編を除外。日アカの新人俳優賞は全受賞者を「ノミネート」としてカウント。
例えば日アカの主演女優賞では、 「キネマ旬報ベストテン」「毎日映画コンクール」など他の映画賞で連勝した水川あさみ(喜劇 愛妻物語)がノミネートされず、かわりに松竹映画や東宝映画の出演者が続々と候補に入りました。 「寅さん」(松竹)の倍賞千恵子などは、他の映画賞ではノミネートゼロでした。
助演女優賞も同様です。 「キネ旬」「毎日」「報知映画賞」などの映画賞で4冠を達成し、独走状態だった蒔田彩珠(朝が来る)が、ノミネートされませんでした。 その一方で、他の映画賞では候補にすらならなかった松竹女優らが名を連ねました。 安田成美(Fukushima50)、後藤久美子(寅さん)などです。
他の部門でもこのような現象が見られ、まるで茶番劇的な「松竹・東宝まつり」の様相を呈しています。 一方、昨年(2020年)「翔んで埼玉」で最多ノミネートをかっさらい強い批判を浴びた東映はノミネート数が少なめになっています。組織的な運動を自粛したのか、あるいは「持ち回り」により本年度は松竹の支援に回ったのかも知れません。
なお、本年度の最多ノミネートは東宝「罪の声」、松竹・角川「Fukushima50」になっています。 いずれも作品賞を含む12部門でノミネートされました。
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独立系の映画としては唯一、「ミッドナイトスワン」(草彅剛主演)が作品賞にノミネートされました。 キノフィルムズの配給です。映画ファンによるレビュー集計では、2020年公開の実写映画の中で「37セカンズ」に次ぐトップ級の評価を得ました。 商業的な面でも大成功。 小規模公開でしたが、口コミで評判が広がりロングランとなりました。
作品賞ノミネートの内訳は、 東宝が2、松竹が2、キノフィルムズが1でした。 前年(2020年)の作品賞レースでは、 唯一の独立系作品だった「新聞記者」が、大手の作品をおさえて受賞を果たしました。 不可解なノミネート選考に対する批判が、本選の投票で新聞記者の得票につながったという見方もありました。 2021年も、「ミッドナイトスワン」が台風の目となりました。
ミッドナイトスワンは作品賞、主演男優賞(草彅剛)のほか、監督賞、脚本賞にもノミネートされました。 これらの部門で最優秀賞を獲得するうえで障壁になると懸念されたのが、 ジャニーズ問題です。 主演の草彅剛らジャニーズ事務所を脱退した元スマップの3人(新しい地図)は、 地上波テレビになかなか出演できないなど、 芸能界で冷遇されてきました。 この件で公正取引委員会がジャニーズに「注意」したとも報道されました(NHK→)。 しかし、圧倒的な作品に対する支持を厚さが、作品賞・主演男優賞という主要部門2冠の達成を後押ししました。
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2020年公開の映画の中で極めて高い評価を得た作品の一つ、「朝が来る」(河瀨直美監督)が、 作品賞ノミネートから外されました。 「朝が来る」は独立系キノフィルムズの作品です。 本年の映画ファンによるレビュー集計において、 松竹・角川「Fukushima50」、東宝「罪の声」よりもかなり高い評価を獲得しています。
さらに、「朝が来る」で深い心の傷を負う少女を熱演した蒔田彩珠(まきた・あじゅ)が、上記の通り、ノミネートされませんでした。 日アカ以外の映画賞では、助演女優賞を総なめにしている状態でした。
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また、2021年の日アカでは、ベネチア国際映画祭で監督賞を受賞した「スパイの妻」(黒沢清監督)が完全に無視されました。 ベネチア国際映画祭は世界最古の映画祭であり、世界3大映画祭の一つです。 その栄誉ある映画賞で2番目に価値が高い監督賞(銀熊賞)を受賞しながら、日アカではノミネートゼロという衝撃の事態になりました。「スパイの妻」は、独立系のビターズ・エンドの配給作品です。 スパイの妻は、すでにNHKで放送されていたテレビ版を再編集した作品だったことから、日アカ事務局が「選考対象外」と判定したようです。
なお、スパイの妻は、日本の映画賞で最も信頼性が高いとされる「キネマ旬報ベスト・テン」でも、 作品賞を受賞しました。 脚本賞も獲得。 主演女優部門では主役の蒼井優が2位に選ばれました。
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2021年の日本アカデミー賞における様々な奇怪現象の中で、 やはり最大の問題となったのが、水川あさみ事件です。 水川あさみは「喜劇 愛妻物語」(配給:バンダイナムコアーツ、キューテック)などで国内映画賞の女優賞レースを連覇。 キネ旬、毎日、ヨコハマ映画祭、TAMA映画賞などの主要アワードを次々と制しました。 事前予想では、日アカの最有力候補と見られていましたが、ノミネートすらされないという悲劇に終わりました。
賞 | 水川あさみ | 倍賞千恵子
(松竹) |
---|---|---|
キネ旬ベストテン | 受賞 | × |
毎日映画コンクール | 受賞 | × |
ヨコハマ映画祭 | 受賞 | × |
TAMA映画賞 | 受賞 | × |
ブルーリボン賞 | ノミネート | × |
日本アカデミー賞 | × | ノミネート |
このほか、映画ファンによるレビューで「ミッドナイトスワン」などとともに年間トップランクを占めた「37セカンズ」と「本気のしるし」は、日本アカデミー賞の選考対象外とされました。したがって、ノミネートゼロでした。
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アニメ作品賞には、 「鬼滅の刃(きめつのやいば)無限列車編」や「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」がノミネートされました。 鬼滅の刃は、日本映画の興行収入の新記録を打ち立てました。 社会現象的な人気を集めました。 一方、ヴァイオレット・エヴァーガーデンは、そのクオリティが極めて高い評価を得て、 映画サイトのレビューで断トツの1位となりました。 放火殺人の悲劇に見舞われた京アニが、苦闘の末に創り上げた傑作です。
アニメ賞には、東宝の「STAND BY ME ドラえもん2」もノミネートされました。 大ヒットはしたものの、映画ファンや往年のドラえもん愛好家から酷評(こくひょう)する声が相次ぎ、プチ炎上のような状態になった問題作です(宇多丸の酷評動画→)。 その一方で、鬼滅の刃に匹敵するような高評価を得た「Fates/Stay Night(Heaven's Feel)」完結版は、ノミネートされませんでした。
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昔から、日本アカデミー賞は他の国内映画賞とノミネートの顔ぶれが大きく異なることで有名です。 東宝・松竹・東映が組織票を動員させ、 自社の作品を押し込むことが原因と指摘されてきました。
日アカをめぐっては、映画ファンから「いらない」「くらだらない」といった厳しい声がよく聞かれます。 このまま東宝・松竹・東映に有利なノミネート選考が続くのであれば、 いよいよ不要論・廃止論が強まることも考えられました。 こうしたなか、ミッドナイトスワンが作品賞を獲得したことは、 日本の映画界及び映画ファンにとって朗報といえるでしょう。
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受賞結果は2021年3月19日(金)夜の授賞式で発表されました。
受賞結果の一覧 | 映画評価ランキング | 2022年→ | ノミネートから漏れた作品・人物 | 名作「朝が来る」 | 名作「ミッドナイトスワン」 | 名作「スパイの妻」 | 名作「アルプススタンドのはしの方」 | 名作「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」 | 名作「鬼滅の刃」 | キネマ旬報ベストテン | 毎日映画コンクール | ヨコハマ映画祭 | 雑誌「映画芸術」ベスト | TAMA映画賞 | 報知映画賞 | 日刊スポーツ映画大賞 | ブルーリボン賞 | 2020年の結果→ | トップページ→ | 歴代の作品賞→ | 歴代の主演男優賞→ | 歴代の主演女優賞→ | ページの先頭↑ | アカデミー賞2021年→ |
作品賞、主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞、監督賞、アニメ賞、新人賞、脚本賞、外国映画賞、音楽賞、撮影賞、編集賞、美術賞、録音賞、照明賞、 ページの先頭へ↑
2021年 | ||
---|---|---|
部門 | 受賞 | ノミネート |
作品賞 |
「ミッドナイトスワン」
(配給:キノフィルムズ) 監督:内田英治 公開:2020年9月25日 予告編→ Amazon配信→ 有村昆の論評(動画)→ 草彅剛主演。独立系の映画としては唯一、ノミネートされた。 映画ファンによるレビュー集計では、2020年公開の実写映画の中で「37セカンズ」に次ぐトップ級の評価を得た。 商業的な面でも大成功。小規模公開からスタートし、口コミで評判が広がりロングランの大ヒットとなった。 |
■参考:キネ旬ベスト 1位: 「スパイの妻」 (ビターエンド) 予告編→ Amazon配信→ 黒沢清監督インタビュー(動画)→ 茂木健一郎の解説(動画)→ 2位: 「海辺の映画館―キネマの玉手箱」 (アスミック) 予告編→ Amazon配信→ 3位: 「朝が来る」 (キノ) 予告編→ Amazon配信→ ツッチさんの称賛動画→ 4位: 「アンダードッグ」 (東映ビデオ) 予告編→ 5位: 「本気のしるし」 (ラビットハウス) 予告編→ 主演・森崎ウィンと深田監督のインタビュー ※歴代の作品賞→ 一覧表の上部に戻る↑ |
主演男優賞 |
草彅剛
(くさなぎ・つよし) 「ミッドナイトスワン」 (キノフィルムズ) Amazon配信→ 本人の公式動画→ 作品一覧→ 草彅剛のミッドナイトスワンでの演技は、映画ファンの間では圧倒的に高い支持を得ました。 しかし、日本アカデミー賞の受賞争いでは、かつて所属していたジャニーズ事務所からの圧力が障壁になることが懸念されていました。 元スマップ3人(新しい地図)に対する排除圧力
ジャニーズ事務所を脱退した草なぎ氏ら元スマップの3人(新しい地図)は、
地上波テレビになかなか出演できないなど、芸能界で冷遇されてきました。
|
■参考:キネ旬ベスト 1位: 森山未來 「アンダードッグ」 (東映ビデオ) メイキング映像→ 2位: 草彅剛 「ミッドナイトスワン」 (キノ) 舞台挨拶→ 3位: 石橋蓮司 「一度も撃ってません」 (キノ) Amazon配信→ ※歴代の主演男優賞→ 一覧表の上部に戻る↑ |
主演女優賞 |
長澤まさみ
「MOTHER マザー」 (スターサンズ、角川) 舞台挨拶→ 作品一覧→ 前年の助演女優賞に続いて2年連続の賞獲得となりました。 水川あさみ事件
他の映画賞で連勝した水川あさみがノミネートされないという事件が起きました。
水川あさみは「喜劇 愛妻物語」(配給:バンダイナムコアーツ、キューテック)に出演。
「キネマ旬報ベストテン」「毎日映画コンクール」「ヨコハマ映画祭」などの主要アワードを次々と制しました。
|
■参考:キネ旬ベスト 1位: 水川あさみ 「喜劇 愛妻物語」 予告編→ Amazon配信→ (バンナム) ほか 2位: 蒼井優 「スパイの妻」 (ビターズエンド) Amazon配信→ 3位: 長澤まさみ 「マザー」 (スターサンズ、角川) ※歴代の主演女優賞→ 一覧表の上部に戻る↑ |
助演男優賞 |
渡辺謙
「Fukushima 50(フクシマフィフティ)」 (松竹、角川) 作品一覧→ 放射能事故を起こした東京電力の福島原発の所長を演じました。 |
■参考:キネ旬ベスト 1位: 宇野祥平 「本気のしるし」 (ラビットハウス) 「罪の声」 (東宝) ほか 2位(同点で2人): 津田寛治 「山中静夫氏の尊厳死」 (スーパービジョン等) 若葉竜也 「生きちゃった」 (フィルムランド) ほか ※歴代の助演男優賞→ 一覧表の上部に戻る↑ |
助演女優賞 |
黒木華
(くろき・はる) 「浅田家!」 (東宝) 作品一覧→ Amazon配信→ 他の映画賞で助演女優賞を総なめにしていた蒔田彩珠がノミネートから除外されました。
|
■参考:キネ旬ベスト 1位: 蒔田彩珠 「朝が来る」 (キノ) 予告編→ Amazon配信→ 2位: 浅田美代子 「朝が来る」 予告編→ (キノ) Amazon配信→ ※歴代の助演女優賞→ 一覧表の上部に戻る↑ |
監督賞 |
若松節朗
「Fukushima 50(フクシマフィフティ)」 (松竹、角川) 作品一覧→ |
■参考:キネ旬ベスト 1位: 大林宣彦 「海辺の映画館―キネマの玉手箱」 (アスミック) 2位: 河瀬直美 「朝が来る」 (キノ) Amazon配信→ 3位: 武正晴 「アンダードッグ」 (東映ビデオ) ※歴代の監督賞→ 一覧表の上部に戻る↑ |
アニメ作品賞 |
「鬼滅の刃(きめつのやいば)無限列車編」
予告編→ (配給:東宝、アニプレックス/製作:ユーフォーテーブル) (公開:2020年10月16日) 日本史上最高の映画館収入を記録した「鬼滅の刃(きめつのやいば)無限列車編」が受賞しました。
|
■参考:東京アニメアワードの作品賞■ 「劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン」 ※歴代のアニメ賞→ 一覧表の上部に戻る↑ |
新人俳優賞 |
■参考:キネ旬ベスト 【男優部門】 1位: 奥平大兼(だいけん) 「マザー」 (スターサンズ、角川) 2位: 宮沢永魚(ひお) 「his」 (ファントム) 3位: 下倉幹人(かんと) 「アイヌモシリ」 (太秦) 【女優部門】 1位: モトーラ世理奈 「風の電話」 (ブロードメディア・スタジオ) ほか 2位: 服部樹咲(みさき) 「ミッドナイトスワン」 (キノ) 3位: 小西桜子(さくらこ) 「初恋」(東映) 「ファンシー」 (日本出版販売)ほか 一覧表の上部に戻る↑ |
|
脚本賞 |
「罪の声」
野木亜紀子 (東宝) |
■キネ旬ベスト■ 1位: 「スパイの妻」 濱口竜介 野原位(ただし) 黒沢清 (ビターズ) Amazon配信→ 2位: 「アンダードッグ」 足立紳(しん) (東映ビデオ) 3位: 「喜劇 愛妻物語」 足立紳(しん) (バンナム、キューテック) 予告編→ Amazon配信→ 4位: 「37セカンズ」 HIKARI(ヒカリ) (エレファントハウス) ※歴代の脚本賞→ 一覧表の上部に戻る↑ |
外国作品賞 |
「パラサイト 半地下の家族」
(韓国) (公開:2020年1月10日) 予告編→ 字幕版(Amazon)→ 吹替版(Amazon)→ ※本物のアカデミー賞の作品賞を獲ってしまった韓国の傑作映画 |
※歴代の外国作品賞→ 一覧表の上部に戻る↑ |
音楽賞 |
「鬼滅の刃」
(東宝、アニプレ) 音楽家:梶浦由記、椎名豪 主題歌「炎」の動画→ シングル試聴(Amazon)→ |
■参考:毎日映画コンクール
歴代の音楽賞→ 一覧表の上部に戻る↑ |
撮影賞 |
「Fukushima 50」(松竹、角川)
江原祥二 |
■参考:毎日映画コンクール
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編集賞 | 石井巌、石島一秀「男はつらいよ お帰り 寅さん」(松竹) |
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美術賞 |
「Fukushima 50」(松竹、角川)
瀨下幸治 |
■参考:毎日映画コンクール
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録音賞 |
「Fukushima 50」(松竹、角川) 柴崎憲治、鶴巻仁 |
■参考:毎日映画コンクール
一覧表の上部に戻る↑ |
照明賞 | 杉本崇「Fukushima 50」(松竹、角川) |
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受賞結果の一覧 | 映画評価ランキング | 2022年→ | ノミネートから漏れた作品・人物 | 名作「朝が来る」 | 名作「ミッドナイトスワン」 | 名作「スパイの妻」 | 名作「アルプススタンドのはしの方」 | 名作「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」 | 名作「鬼滅の刃」 | キネマ旬報ベストテン | 毎日映画コンクール | ヨコハマ映画祭 | 雑誌「映画芸術」ベスト | TAMA映画賞 | 報知映画賞 | 日刊スポーツ映画大賞 | ブルーリボン賞 | 2020年の結果→ | トップページ→ | 歴代の作品賞→ | 歴代の主演男優賞→ | 歴代の主演女優賞→ | ページの先頭↑ | アカデミー賞2021年→ |
2021年の日本アカデミー賞レースの有力映画のレビューランキング(集計表)です。2020年12月20日時点。 「キネノート(キネマ旬報)」「映画.com」「フィルマークス」のレビュー(評点)の平均点です。 媒体としての実績・歴史・信頼度等をふまえ、キネノートは1.5倍、映画.comは1倍、フィルマークスは0.5倍の傾斜配分方式を採用しています。 1位は京アニの「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」です。2020年の日本映画の中で、断トツの高評価になっています。
作品名 | 映画サイトの評価の平均点 |
---|---|
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」
(アニメ) |
4.305 |
「37セカンズ」
※日アカの選考対象外 ※ベルリン国際映画祭のパノラマ部門で最高賞(観客賞)と国際アートシアター連盟賞をダブル受賞 ネトフリ配信→ |
4.129 |
「ミッドナイトスワン」
Amazon配信→ |
4.125 |
「本気のしるし 劇場版」
※日アカの選考対象外 |
4.101 |
「朝が来る」 (キノフィルムズ) Amazon配信→ |
4.070 |
「アンダードッグ 後編」 (東映ビデオ) |
4.059 |
「ドロステのはてで僕ら」 | 4.052 |
「鬼滅の刃(きめつのやいば)無限列車編」 (東宝、アニプレックス) (アニメ) |
4.032 |
「Fates/Stay Night(Heaven's Feel)第3章 Spring Song」
(アニメ) |
4.021 |
「アンダードッグ 前編」 (東映ビデオ) |
3.997 |
「アルプススタンドのはしの方」 | 3.990 |
「なぜ君は総理大臣になれないのか」
※日アカの選考対象外(ドキュメンタリー) |
3.990 |
「浅田家!」
Amazon配信→ |
3.939 |
「罪の声」 (東宝) |
3.930 |
「佐々木、イン、マイマイン」
予告編→ |
3.928 |
「男はつらいよ お帰り 寅さん」 | 3.918 |
「ジョゼと虎と魚たち」 (松竹、角川) (アニメ) |
3.907 |
「私をくいとめて」 | 3.880 |
「音楽」 (ロックンロール・マウンテン) (アニメ) |
3.878 |
「サヨナラまでの30分」
予告編→ |
3.868 |
「ラストレター」 (東宝) |
3.858 |
「のぼる小寺さん」
(ビターズ・エンド) 予告編→ |
3.848 |
「Fukushima 50」 | 3.832 |
「海辺の映画館―キネマの玉手箱」 (アスミック) |
3.829 |
「初恋」 | 3.787 |
「魔女見習いをさがして」 (東映) (アニメ) |
3.775 |
「今日から俺は!!劇場版」 | 3.761 |
「滑走路」 | 3.758 |
「アイヌモシリ」 | 3.756 |
「スパイの妻」
Amazon配信→ |
3.740 |
「窮鼠(きゅうそ)はチーズの夢を見る」 | 3.732 |
「糸」 | 3.711 |
「風の電話」 (ブロードメディア・スタジオ) |
3.639 |
「喜劇 愛妻物語」 (バンナム、キューテック) 予告編→ Amazon配信→ |
3.593 |
「MOTHER マザー」 | 3.569 |
「一度も撃ってません」 (キノフィルムズ) Amazon配信→ |
3.487 |
「新聞記者」 | 3.766 |
「蜜蜂と遠雷」 | 3.717 |
「翔んで埼玉」 | 3.596 |
受賞結果の一覧 | 映画評価ランキング | 2022年→ | ノミネートから漏れた作品・人物 | 名作「朝が来る」 | 名作「ミッドナイトスワン」 | 名作「スパイの妻」 | 名作「アルプススタンドのはしの方」 | 名作「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」 | 名作「鬼滅の刃」 | キネマ旬報ベストテン | 毎日映画コンクール | ヨコハマ映画祭 | 雑誌「映画芸術」ベスト | TAMA映画賞 | 報知映画賞 | 日刊スポーツ映画大賞 | ブルーリボン賞 | 2020年の結果→ | トップページ→ | 歴代の作品賞→ | 歴代の主演男優賞→ | 歴代の主演女優賞→ | ページの先頭↑ | アカデミー賞2021年→ |
高い評価を得ていたものの、日本アカデミー賞のノミネートから漏れた作品・人物の一覧です。 主に独立系の映画会社の作品が、ノミネートから外されています。
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受賞結果の一覧 | 映画評価ランキング | 2022年→ | ノミネートから漏れた作品・人物 | 名作「朝が来る」 | 名作「ミッドナイトスワン」 | 名作「スパイの妻」 | 名作「アルプススタンドのはしの方」 | 名作「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」 | 名作「鬼滅の刃」 | キネマ旬報ベストテン | 毎日映画コンクール | ヨコハマ映画祭 | 雑誌「映画芸術」ベスト | TAMA映画賞 | 報知映画賞 | 日刊スポーツ映画大賞 | ブルーリボン賞 | 2020年の結果→ | トップページ→ | 歴代の作品賞→ | 歴代の主演男優賞→ | 歴代の主演女優賞→ | ページの先頭↑ | アカデミー賞2021年→ |
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映画「朝が来る」は、河瀬直美監督による家族ドラマ。 河瀬監督は、カンヌ国際映画祭など海外の映画賞で多くの受賞歴がある。1990年代から活躍し、近年では「光」(2017年)や「あん」(2015年)が高い評価を得た。
原作は、小説家・辻村深月(つじむら・みづき)のフィクション小説(2015年出版)。2016年にはテレビドラマ(全8話、東海テレビ製作)にもなった。
主人公は、子供がなかなかできない夫婦。そして、予期せぬ妊娠をしてしまった中学生の少女。
夫婦は、男性不妊の治療などに取り組んだあと、「特別養子縁」という制度を知った。NPO団体の仲介で、男の子の赤ん坊を養子として迎え入れた。「朝斗(あさと)」という名前をつけた。それから6年。「生みの母親」を名乗る女性が突如現れ、「子供を返して欲しい」と要求される。この人物は一体何者なのか――?
社会性のあるドラマになっている。「子供を授かるということ、育てるということ」の意義を問いかける。ミステリーの要素もあり、ハラハラもする。エンドロールの最後の最後まで見ることが絶対オススメ。
さまざまな観点から称賛を浴びた。その一つが演出や映像美。河瀬監督ならではの柔らかい映像が特徴になっている。光や影が巧みに取り込まれている。
また、登場人物の悩みや悲しみ、そして喜びを、それぞれのキャラクターに寄り添いながら静かに表現している。
ドキュメンタリー的な手法がふんだんに使われている。それが劇の中に見事に融合されている。現実味があふれている。養子縁組の中身も教えてくれる。
役者陣の演技も高い評価を得た。主な出演者は以下の通り。
妻:永作博美(ながさく・ひろみ) 夫:井浦新(いうら・あらた)
蒔田彩珠(まきた・あじゅ)
浅田美代子
※カンヌ国際映画祭の公式選出作品
※米アカデミー賞2021の国際映画賞の日本代表
受賞結果の一覧 | 映画評価ランキング | 2022年→ | ノミネートから漏れた作品・人物 | 名作「朝が来る」 | 名作「ミッドナイトスワン」 | 名作「スパイの妻」 | 名作「アルプススタンドのはしの方」 | 名作「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」 | 名作「鬼滅の刃」 | キネマ旬報ベストテン | 毎日映画コンクール | ヨコハマ映画祭 | 雑誌「映画芸術」ベスト | TAMA映画賞 | 報知映画賞 | 日刊スポーツ映画大賞 | ブルーリボン賞 | 2020年の結果→ | トップページ→ | 歴代の作品賞→ | 歴代の主演男優賞→ | 歴代の主演女優賞→ | ページの先頭↑ | アカデミー賞2021年→ |
戦争直前の軍国主義下の日本において、恐ろしい国家機密を握ってしまった会社経営者と、その妻の物語。スリリングな夫婦劇。黒沢清監督によるオリジナル・ストーリー。ヴェネチア国際映画祭で監督賞を受賞した。
舞台は1940年の神戸。太平洋戦争が近づき、日本では軍国主義に基づく統制が強まっていた。主人公は、貿易会社の青年社長と、その妻。この青年社長が仕事で中国・満州を訪れた際、日本陸軍の研究施設において非人道的な実験が行われていることを知る。それは日本政府にとって最重要の国家機密だった。青年社長は、この非道な行為を国際政治の場で告発しようと企てる。妻は、そんな夫の言動に戸惑う。
主人公の夫婦はそれまで裕福で幸福そうな生活を送っていた。しかし、軍国ファシズムの異常ぶりに直面し、それまでの価値観が揺らいでいく。
日本の陸軍に実在していた「731部隊(通称・石井部隊)」の人体実験をめぐるエピソードを想起させる。
妻役を蒼井優(あおい・ゆう)が演じる。夫役は高橋一生(たかはし・いっせい)。いずれも優れた演技ぶりが称賛されている。蒼井優は日本アカデミー賞の主演女優賞ノミネートが有力。また、東出昌大(ひがしで・まさひろ)が、民間人を取り締まる憲兵の役で好演している。
もともとは、NHKのテレビ番組用に製作された。超高精細の8K映像で撮影した。テレビ版を映画版に編集した。
2020年ベネチア国際映画祭の監督賞(銀獅子賞)
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映画「「ミッドナイトスワン」」は、独立系の中規模上映の作品ながら、ロングヒットした。 興行収入は推計6億円。 リピーターも多かった。
肉体的には男性として生まれたが、内面は女性の人物が主人公。 いわゆるトランスジェンダーだ。 この主人公が、親戚の少女を一時的にあずかる。 それによって母性が目覚めていく、というストーリー。
主演は元スマップの草なぎ剛。 男として生まれながら、女として生きる道を選んだ中年のトランスジェンダーを演じる。
主人公の凪咲(なぎさ)は、 東京・新宿のゲイ系ショーパブでホステスとして働いている。 ある日、故郷・広島の家族から電話がかかってくる。 親戚の少女が育児放棄の状態になっており、 その娘を一時的に家であずかってほしい、というのだ。 上京してきた少女に対して、最初は冷たくあしらっていた。 まだ少女も心に傷を負っており、反抗的な態度を見せる。 しかし、凪咲(なぎさ)はいつしか母親のような想いを抱き始める。
草なぎ剛は、もともと演技力に定評があった。 今回は俳優としてのキャリアの中でも最高の出来との声も多い。 演技に説得力があり、見る側が感情移入しやすい。 主演男優賞ノミネートの有力候補と見られている。
少女役を演じた服部樹咲(みさき)は新人女優だ。 オーディションで1000人ほどの候補者の中から選ばれた。 世界レベルのバレエ技術を持っている。 新人賞の有力候補だ。
オリジナル脚本である。 内田英治監督が自ら脚本を書き上げた。 バレエの青春ものと、トランスジェンダーという社会的なヒューマンドラマをミックスした。 脚本執筆にあたって、多くのトランスジェンダーに取材したという。
報知新聞映画賞の読者投票1位
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映画「アルプススタンドのはしの方」は、青春映画の秀作。 コミカルかつ感動的。会話劇だけで構成されている。 「桐島、部活やめるってよ」(2012年)以来の優れた青春群像的との声も多い。
原作は、兵庫の県立高校の演劇部の芝居である。
教師の籔博晶(やぶ・ひろあき)さんが、自ら顧問を務める演劇部のために台本を書き、制作した。
高校演劇部の全国大会で優勝した。
設定・展開のユニークさや、若者の共感を呼ぶストーリーが、全国の高校生に支持された。
これに独立系の映画会社スポッテッドプロダクションズが目をつけ、リメイクしたうえでプロの商業演劇として公演。
成功を収めた。
※
すぐに映画化が決まり、
実力派・城定秀夫(じょうじょう・ひでお)監督に託された。
城定監督は、素材の良さを生かしながら、巧みな演出で娯楽作・感動作に仕上げた。
登場人物は、数人の高校生の男女と、1人の教師。
舞台は、野球場(甲子園球場)の観客席。
自分たちの高校の野球部の試合を観戦する過程で起こるドラマを描く。
映画館での公開規模は小さかったが、
大きな反響を呼んだ。
TAMA映画賞の特別賞
受賞結果の一覧 | 映画評価ランキング | 2022年→ | ノミネートから漏れた作品・人物 | 名作「朝が来る」 | 名作「ミッドナイトスワン」 | 名作「スパイの妻」 | 名作「アルプススタンドのはしの方」 | 名作「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」 | 名作「鬼滅の刃」 | キネマ旬報ベストテン | 毎日映画コンクール | ヨコハマ映画祭 | 雑誌「映画芸術」ベスト | TAMA映画賞 | 報知映画賞 | 日刊スポーツ映画大賞 | ブルーリボン賞 | 2020年の結果→ | トップページ→ | 歴代の作品賞→ | 歴代の主演男優賞→ | 歴代の主演女優賞→ | ページの先頭↑ | アカデミー賞2021年→ |
「劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン」は、京都アニメーション(京アニ)製作の映画。 殺りく兵士から手紙の代筆屋に転身した少女をめぐる「愛と成長」の物語である。 繊細な筆致で描かれた感動のラブ・ストーリー。 京アニらしい高い品質。 2020年9月18日の公開以来、大絶賛の嵐となっている。
2018年のテレビ番組の映画化である。しかし、劇場版は完全な新作だ。 主人公ヴァイオレットの運命的な恋愛の行方にスポットをあてている。
物語の時系列としては、テレビ版の後の世界を描いている。 しかし、テレビ版を見たことがなくても、十分に楽しめる。 事前の知識がなくても大丈夫。
2019年7月の京アニ放火殺人事件では、36人の命が奪われた。 これによって、本作の製作も遅れ、当初2020年1月10日の公開予定が延期になった。その後、コロナウイルスで再び延期になっていた。 本作のエンドロールでは、放火の犠牲となった美術監督の渡邊美希子さん(享年35歳)や小物設定の高橋博行さん(享年48歳)らも名を連ねている。 戦後最悪の殺人事件という惨事に見舞われながら、完成を遂げた渾身の一作だ。 京都の映画館での舞台挨拶で、石立太一監督は「今回、ここに立てていることが夢みたい。完成できるか分からなかったが、今やれることを全力で込めようと京アニ全てのスタッフが頑張った」と語った。
壮大なラブストーリーである。まさに「愛」がテーマ。涙あふれる感動物語。絵も美しい。人物だけでなく、風景などの描写も見事。
登場人物の心理や感情の動きを繊細に描く表現が特徴的である。 テレビ番組でも評価が高かったが、劇場版ではさらに磨かれた。 テレビよりもさらにドラマチック。
100年ほどの前の時代が舞台となっている。 緻密な風景の描写は、 芸術的な美しさに満ちている。景色が壮大で、劇場版らしさが出ている。
手紙に綴られる言葉や、セリフの一言一言に重み、深みがある。 人間らしい温かみがあふれている。
題名の「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」は、主人公の名前である。
女性だ。
彼女は、孤児だった。
裕福な軍人の一族にひきとられ、兵士として育てられた。
その後、戦場で活躍した。
戦争が終結し、兵士としての役目は終わった。
今度は、手紙の代筆業の仕事に従事することになった。
戦うためだけに育てられた彼女は、
愛というものを知らなかった。
しかし、ギルベルト少佐と出会ってから言葉を覚え、
やがて人間らしい感情を抱くようになった。
今は郵便局において、手紙を代筆する仕事をしている。
この仕事は、通称「自動手記人形(ドール)」と呼ばれていた。
代筆の仕事を通して、
さまざまな愛のかたちを知るようになる。
劇場版は、ヴァイオレット本人の「愛」の行方に、スポットが当てられている。 ギルベルト少佐が戦場で別れる際に告げた「愛している」の意味を、ヴァイオレットが探し求める物語となっている。
テレビ版では、ヴァイオレットが立派な代筆屋さんになる過程が描かれていた。 劇場版では、すでに超一流の代筆屋さんとして絶大な評価を確立しているヴァイオレットの活躍を見ることができる。
テレビ版は、ネットフリックス(Netflix)でも動画配信されている。
事前の予想をしのぐ大ヒットとなった。良好な興行成績を記録。しかも、それが長く続いた。
各種のレビューサイトで高得点を獲得した。 とても評判が良い。
ヴァイオレット・エヴァーガーデンは海外のアニメファンからも高い評価を得ている。 2019年のクランチロールアニメアワードで、テレビ版がアニメ作品賞を受賞した。
受賞結果の一覧 | 映画評価ランキング | 2022年→ | ノミネートから漏れた作品・人物 | 名作「朝が来る」 | 名作「ミッドナイトスワン」 | 名作「スパイの妻」 | 名作「アルプススタンドのはしの方」 | 名作「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」 | 名作「鬼滅の刃」 | キネマ旬報ベストテン | 毎日映画コンクール | ヨコハマ映画祭 | 雑誌「映画芸術」ベスト | TAMA映画賞 | 報知映画賞 | 日刊スポーツ映画大賞 | ブルーリボン賞 | 2020年の結果→ | トップページ→ | 歴代の作品賞→ | 歴代の主演男優賞→ | 歴代の主演女優賞→ | ページの先頭↑ | アカデミー賞2021年→ |
2020年の映画界において、ダントツで最大のヒット作になった。 日本の興行収入の歴代記録を塗り替えた。 新型コロナウイルスで極度の不振に陥っていたシネコン業界にとって救世主的な存在となった。 主題歌や原作漫画もヒット。映画界だけでなく、エンタメ業界全体を押し上げる貢献を果たした。
大正時代の舞台にした人間と鬼の戦いを描く。
人が鬼に食われると、その人も鬼になってしまうという「ゾンビ映画」である。
主人公は少年。
家族を鬼に殺された。
唯一生き残った妹も、鬼に食われて鬼になってしまった。
少年は、鬼たちを征伐すべく、
必死で武術を習った。
そして、晴れて鬼退治のグループのメンバーになった。
本作(映画版)では、鬼が出没している蒸気機関車(「無限列車」という名前がついている)に主人公が乗り込む。
主人公は仲間とともに、乗客の命を守るべく、鬼と壮絶な戦闘を繰り広げる。
映画版は、テレビ版の続きとなる。 テレビ版(シーズン1)は2019年に放送され、大好評を博した。 「Netflix(ネットフリックス)」でも配信され、中国や欧米など海外でも人気を博した。 雑誌「アニメージュ」の読者が選ぶ2019年の「アニメグランプリ」にも選ばれた。
映画版は、テレビよりもさらにスケールをアップし、最高クオリティの作画・作劇と感動ストーリーで高い評価を得た。
制作会社は、ユーフォーテーブル(Ufotable)。
配給会社のアニプレックスは、ソニー・ミュージックの子会社。
原作は、少年ジャンプに連載されていた漫画「鬼滅の刃(きめつのやいば)」。 作者は吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)。 1989年生まれ。福岡出身。 2014年に、24歳でデビューした。 2016年から「鬼滅の刃」の連載を始めた。 2020年5月に連載を終えた。 2020年12月、最終刊となる23巻が発売。発行部数が累計1億部を突破している。
テレビ版の放送が開始された2019年4月の時点では、 累計発行部数は350万部だった。 それが、アニメ放送が終了する9月末には、 1200万部に伸びた。 その後、さらに爆発的な売れ行きとなる。 2020年2月に4000万部へと一気に増えた。
受賞結果の一覧 | 映画評価ランキング | 2022年→ | ノミネートから漏れた作品・人物 | 名作「朝が来る」 | 名作「ミッドナイトスワン」 | 名作「スパイの妻」 | 名作「アルプススタンドのはしの方」 | 名作「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」 | 名作「鬼滅の刃」 | キネマ旬報ベストテン | 毎日映画コンクール | ヨコハマ映画祭 | 雑誌「映画芸術」ベスト | TAMA映画賞 | 報知映画賞 | 日刊スポーツ映画大賞 | ブルーリボン賞 | 2020年の結果→ | トップページ→ | 歴代の作品賞→ | 歴代の主演男優賞→ | 歴代の主演女優賞→ | ページの先頭↑ | アカデミー賞2021年→ |
他の国内映画賞の結果
キネマ旬報ベストテン | 毎日映画コンクール | ヨコハマ映画祭 | 雑誌「映画芸術」ベスト | TAMA映画賞 | 報知映画賞 | 日刊スポーツ映画大賞 | ブルーリボン賞キネマ旬報ベストテンの2020年の結果(2021年発表)です。
部門 | 受賞者 |
---|---|
作品賞 |
【2位】 「海辺の映画館―キネマの玉手箱」(アスミック) 予告編→ 【3位】 「朝が来る」(キノフィルムズ) 予告編→ Amazon配信→ 【4位】 「アンダードッグ」(東映ビデオ) 予告編→ 【5位】 「本気のしるし」 予告編→ 【6位】 「37セカンズ」 (ラビットハウス) 予告編→ ネトフリ配信→ 【7位】 「罪の声」(東宝) 予告編→ 【8位】 「喜劇 愛妻物語」(バンナム、キューテック) 予告編→ Amazonビデオ→ 【9位】 「空に住む」 予告編→ 【10位】 「アルプススタンドのはしの方」 予告編→ Amazonビデオ→ |
監督賞 | 大林宣彦 「海辺の映画館―キネマの玉手箱」(アスミック) |
主演男優賞 | 森山未來 「アンダードッグ」(東映ビデオ) |
主演女優賞 | 水川あさみ 「喜劇 愛妻物語」(バンナム、キューテック) 予告編→ Amazon配信→ 「滑走路」 |
助演男優賞 | 宇野祥平 「罪の声」(東宝)、「本気のしるし 劇場版」、「恋するけだもの」、「37セカンズ」、「星の子」 |
助演女優賞 | 蒔田彩珠 「朝が来る」(キノ) Amazon配信→ |
新人男優賞 | 奥平大兼 「MOTHER マザー」 |
新人女優賞 | モトーラ世理奈 「風の電話」(ブロードメディア)、「タイトル、拒絶」 |
脚本賞 | 濱口竜介、野原位(ただし)、黒沢清 「スパイの妻」 Amazon配信→ |
文化映画1位 | 「なぜ君は総理大臣になれないのか」 |
読者選出日本映画1位 | 「天外者(てんがらもん)」 |
読者選出日本映画監督賞 | 田中光敏 「天外者」 |
外国映画1位 | 「パラサイト 半地下の家族」 |
外国映画監督賞 | ポン・ジュノ 「パラサイト 半地下の家族」 |
読者選出外国映画1位 | 「パラサイト 半地下の家族」 |
読者選出外国映画監督賞 | ポン・ジュノ 「パラサイト 半地下の家族」 |
※出典:雑誌「キネマ旬報 ベストテン特別号」
受賞結果の一覧 | 映画評価ランキング | 2022年→ | ノミネートから漏れた作品・人物 | 名作「朝が来る」 | 名作「ミッドナイトスワン」 | 名作「スパイの妻」 | 名作「アルプススタンドのはしの方」 | 名作「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」 | 名作「鬼滅の刃」 | キネマ旬報ベストテン | 毎日映画コンクール | ヨコハマ映画祭 | 雑誌「映画芸術」ベスト | TAMA映画賞 | 報知映画賞 | 日刊スポーツ映画大賞 | ブルーリボン賞 | 2020年の結果→ | トップページ→ | 歴代の作品賞→ | 歴代の主演男優賞→ | 歴代の主演女優賞→ | ページの先頭↑ | アカデミー賞2021年→ |
毎日映画コンクールの2021年の結果です。
年 | 受賞 | ノミネート |
---|---|---|
作品賞 |
「MOTHER マザー」
予告編→ (配給:スターサンズ、角川) |
|
主演男優賞 |
森山未來 「アンダードッグ」 (配給:東映ビデオ) |
|
主演女優賞 |
水川あさみ 「喜劇 愛妻物語」 (バンナム、キューテック) 予告編→ Amazon配信→ |
|
助演男優賞 |
宇野祥平 「罪の声」(東宝) |
|
助演女優賞 |
蒔田彩珠 「朝が来る」(キノ) Amazon配信→ |
|
新人賞 (男性) |
上村侑 「許された子どもたち」(スペースシャワー) |
|
新人賞 (女性) |
佳山明 「37セカンズ」(ラビットハウス) |
|
監督賞 |
河瀬直美 「朝が来る」 Amazon配信→(キノ) |
|
脚本賞 |
丸山昇一 「一度も撃ってません」(キノフィルムズ) Amazon配信→ |
|
撮影賞 |
西村博光 「アンダードッグ」(東映ビデオ) |
|
美術賞 |
磯見俊裕、露木恵美子 「ばるぼら」(イオン) |
|
音楽賞 |
渋谷慶一郎 「ミッドナイトスワン」(キノ) Amazon配信→ |
|
録音賞 |
藤丸和徳 「アンダードッグ」(東映ビデオ) |
|
アニメ賞 | 「魔女見習いをさがして」(東映) |
■■↓短編↓■■ |
外国映画賞 | 「パラサイト 半地下の家族」 |
|
受賞結果の一覧 | 映画評価ランキング | 2022年→ | ノミネートから漏れた作品・人物 | 名作「朝が来る」 | 名作「ミッドナイトスワン」 | 名作「スパイの妻」 | 名作「アルプススタンドのはしの方」 | 名作「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」 | 名作「鬼滅の刃」 | キネマ旬報ベストテン | 毎日映画コンクール | ヨコハマ映画祭 | 雑誌「映画芸術」ベスト | TAMA映画賞 | 報知映画賞 | 日刊スポーツ映画大賞 | ブルーリボン賞 | 2020年の結果→ | トップページ→ | 歴代の作品賞→ | 歴代の主演男優賞→ | 歴代の主演女優賞→ | ページの先頭↑ | アカデミー賞2021年→ |
ヨコハマ映画祭の2020年の結果です。
部門 | 受賞者 |
---|---|
作品賞 |
「海辺の映画館キネマの玉手箱」(アスミック)
予告編→ 【2位】「喜劇 愛妻物語」(バンナム、キューテック) 【3位】「浅田家!」 Amazon配信→ 【4位】「朝が来る」(キノ) Amazon配信→ 【5位】「スパイの妻」 【6位】「アルプススタンドのはしの方」 【7位】「罪の声」(東宝) 【8位】「本気のしるし」 【9位】「一度も撃ってません」(キノ) Amazon配信→ 【10位】「佐々木、イン、マイマイン」 |
監督賞 | 城定秀夫 「アルプススタンドのはしの方」「性の劇薬」 |
新人監督賞 | 内山拓也 「佐々木、イン、マイマイン」 |
脚本賞 | 足立紳 「喜劇愛妻物語」(バンナム、キューテック)、「アンダードッグ前編・後編」(東映ビデオ) |
撮影賞 | 四宮秀俊 「佐々木、イン、マイマイン」「人数の町」 |
主演男優賞 | 二宮和也 「浅田家!」 Amazon配信→ |
主演女優賞 | 水川あさみ 「喜劇愛妻物語」(バンナム、キューテック)、「滑走路」 |
助演男優賞 | 宇野祥平 「罪の声」(東宝)、「本気のしるし 劇場版」 緒形直人 「もみの家」 |
助演女優賞 | 蒔田彩珠 「朝が来る」(キノ) Amazon配信→ 「星の子」 |
最優秀新人賞 | 森七菜 「ラストレター」(東宝)、 「461個のお弁当」、「青くて痛くて脆い」 藤原季節 「佐々木、イン、マイマイン」「his」 小西桜子 「初恋」「ファンシー」「佐々木、イン、マイマイン」 |
審査員特別賞 | 細川岳と「佐々木、イン、マイマイン」 |
ヨコハマ映画祭大賞 | 大林宣彦
大林恭子 |
受賞結果の一覧 | 映画評価ランキング | 2022年→ | ノミネートから漏れた作品・人物 | 名作「朝が来る」 | 名作「ミッドナイトスワン」 | 名作「スパイの妻」 | 名作「アルプススタンドのはしの方」 | 名作「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」 | 名作「鬼滅の刃」 | キネマ旬報ベストテン | 毎日映画コンクール | ヨコハマ映画祭 | 雑誌「映画芸術」ベスト | TAMA映画賞 | 報知映画賞 | 日刊スポーツ映画大賞 | ブルーリボン賞 | 2020年の結果→ | トップページ→ | 歴代の作品賞→ | 歴代の主演男優賞→ | 歴代の主演女優賞→ | ページの先頭↑ | アカデミー賞2021年→ |
季刊雑誌「映画芸術」選出の2020年日本映画ベストです。
部門 | 受賞者 |
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作品賞 |
【2位】 「37セカンズ」 (ラビットハウス) 予告編→ ネトフリ配信→ 【3位】 「アルプススタンドのはしの方」 予告編→ Amazonビデオ→ 【4位】 「本気のしるし」 予告編→ 【5位】 「ミセス・ノイズィ」 予告編→ |
※出典:雑誌「映画芸術 2021年2月号」
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TAMA映画賞の2020年の結果です。
部門 | 受賞者 |
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作品賞 |
「ラストレター」
監督:岩井俊二 配給:東宝 公開:2020年1月17日 予告編→ Amazon配信→ 「海辺の映画館―キネマの玉手箱」 監督:大林宣彦 配給:アスミック・エース 公開:2020年7月31日 予告編→ |
男優賞 | 福山雅治 「ラストレター」(東宝)、 「マチネの終わりに」 濱田岳 「喜劇 愛妻物語」(バンナム、キューテック)、「グッドバイ 嘘からはじまる人生喜劇」 |
女優賞 | 水川あさみ 「喜劇 愛妻物語」(バンナム、キューテック)、「グッドバイ 嘘からはじまる人生喜劇」、「ミッドナイトスワン」 長澤まさみ 「MOTHER マザー」「コンフィデンスマンJP プリンセス編」 |
新進監督賞 | HIKARI 「37セカンズ」 (ラビットハウス) ふくだももこ 「君が世界のはじまり」 |
新進男優賞 | 宮沢氷魚 「his」 北村匠海 「サヨナラまでの30分」「思い、思われ、ふり、ふられ」「影踏み」「ぼくらの7日間戦争」「思い、思われ、ふり、ふられ(アニメ版)」 |
新進女優賞 | 松本穂香 「君が世界のはじまり」「わたしは光をにぎっている」「酔うと化け物になる父がつらい」「his」「青くて痛くて脆い」 森七菜 「ラストレター」(東宝)、 「青くて痛くて脆い」、「地獄少女」、「最初の晩餐」 |
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報知映画賞の2020年の結果です。読者投票1位やノミネートの一覧です。
部門 | 受賞者 |
---|---|
作品賞 |
「ミッドナイトスワン」
(配給:キノフィルムズ) (公開:2020年9月25日) 予告編→ Amazon配信→ |
監督賞 |
内田英治 「ミッドナイトスワン」(キノフィルムズ) Amazon配信→ |
主演男優賞 |
草彅剛(くさなぎ・つよし)
「ミッドナイトスワン」(キノフィルムズ) 作品一覧→ |
主演女優賞 |
長澤まさみ
「コンフィデンスマンJP プリンセス編」 「MOTHER マザー」 |
助演男優賞 |
成田凌(なりた・りょう)
「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」 「窮鼠(きゅうそ)はチーズの夢を見る」 |
助演女優賞 |
水川あさみ
「ミッドナイトスワン」 「アンダードッグ 前編・後編」(東映ビデオ) |
作品賞・海外 | 「TENET テネット」 |
アニメ作品賞 |
「鬼滅の刃(きめつのやいば)無限列車編」
予告編→ (配給:東宝、アニプレックス/製作:ユーフォーテーブル) (公開:2020年10月16日) |
新人賞 |
服部樹咲(はっとり・みさき)
「ミッドナイトスワン」(キノフィルムズ) |
部門 | 受賞 | ノミネート |
---|---|---|
作品賞 | 「罪の声」(東宝) | |
監督賞 |
河瀬直美「朝が来る」(キノ)
Amazon配信→ |
|
主演男優賞 | 小栗旬「罪の声」(東宝) |
|
主演女優賞 | 水川あさみ「喜劇 愛妻物語」(バンナム、キューテック)、「滑走路」 |
|
助演男優賞 | 星野源「罪の声」(東宝) |
|
助演女優賞 |
蒔田彩珠「朝が来る」(キノ)
Amazon配信→ |
|
作品賞・海外 | 「TENET テネット」 |
|
アニメ作品賞 | 「鬼滅の刃(きめつのやいば)無限列車編」 (東宝、アニプレックス) |
|
新人賞 |
服部樹咲「ミッドナイトスワン」 宮沢氷魚「his」 |
|
特別賞 | 「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」豊島圭介監督(配給:ギャガ) |
受賞結果の一覧 | 映画評価ランキング | 2022年→ | ノミネートから漏れた作品・人物 | 名作「朝が来る」 | 名作「ミッドナイトスワン」 | 名作「スパイの妻」 | 名作「アルプススタンドのはしの方」 | 名作「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」 | 名作「鬼滅の刃」 | キネマ旬報ベストテン | 毎日映画コンクール | ヨコハマ映画祭 | 雑誌「映画芸術」ベスト | TAMA映画賞 | 報知映画賞 | 日刊スポーツ映画大賞 | ブルーリボン賞 | 2020年の結果→ | トップページ→ | 歴代の作品賞→ | 歴代の主演男優賞→ | 歴代の主演女優賞→ | ページの先頭↑ | アカデミー賞2021年→ |
日刊スポーツ映画大賞の2020年の受賞とノミネートの一覧です。
部門 | 受賞 | ノミネート |
---|---|---|
作品賞 | 「罪の声」(東宝) | |
監督賞 |
黒沢清
「スパイの妻」 |
|
主演男優賞 |
小栗旬
「罪の声」(東宝) |
|
主演女優賞 |
長澤まさみ
「MOTHER マザー」「コンフィデンスマンJP」 |
|
助演男優賞 |
妻夫木聡
「浅田家」、「Red」、「一度も撃ってません」(キノ) |
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助演女優賞 |
渡辺真起子
「37セカンズ」「浅田家!」 |
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新人賞 |
服部樹咲
「ミッドナイトスワン」 |
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石原裕次郎賞 | 「鬼滅の刃(きめつのやいば)無限列車編」(東宝、アニプレックス) |
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外国作品賞 |
「はちどり」
(韓国) |
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ブルーリボン賞の2021年のノミネートの一覧です。
部門 | 受賞 | ノミネート |
---|---|---|
作品賞 | 「Fukushima 50」 |
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監督賞 |
中野量太 「浅田家!」 |
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主演男優賞 |
草彅剛 「ミッドナイトスワン」 |
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主演女優賞 |
長澤まさみ 「コンフィデンスマンJP プリンセス編」「MOTHER マザー」 |
|
助演男優賞 |
成田凌 「窮鼠(きゅうそ)はチーズの夢を見る」「糸」 |
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助演女優賞 |
伊藤沙莉 「劇場」「ステップ」「十二単衣を着た悪魔」「ホテルローヤル」 |
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新人賞 |
奥平大兼 「MOTHER マザー」 |
|
外国作品賞 | 「パラサイト 半地下の家族」 |
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映画「罪の声」は、実在した事件(グリコ森永事件)をモチーフにしている。
しかし、映画の内容は、まるで現実味(リアリティ)がない。
荒唐無稽と感じられる。
主人公は新聞記者である。
この新聞記者が、警察の大組織をはるかにしのぐような捜査力を発揮する。
まずこの点が、無理筋である。
この新聞記者と一緒に真相解明に奔走するのが、仕立屋さんである。
この仕立て屋さんと新聞記者に対して、
当時の事件の関係者が、
次々と重要な証言を行う。
その口の軽さは、極めて奇妙である。
小栗旬が演じる新聞記者は、決して賢いようにも見えない。
しかも、何かに執念を燃やすようなタイプにも見えない。
このような人物が、歴史的な未解決事件をいとも簡単に解決できるのだろうか。
説得力がない。
2020年に日本アカデミー賞作品賞を受賞した「新聞記者」も、
かなり現実味が乏しかった。
権力者の世界が単純化され過ぎていた。
それでも、
主人公の女性新聞記者が権力の横暴を暴こうとする「動機」や「執念」みたいなものは、リアルに感じられた。
彼女の取材する姿は、役者さんの母国語が日本語でないこともあって、たどたどしかった。だが、夜中に暗い自室で、ツイッター(twitter)上の誹謗中傷に目をとめながら、取材ノートや記事をまとめあげる姿は、たいへん生々しかった。
そういえば、弁護士と殺人犯のふれあいを描く「三度目の殺人」(日アカ作品賞受賞)も非現実的だった。
「シン・ゴジラ」(日アカ作品賞受賞)も、官僚と政治家の区別が曖昧になっているなど、政府機構の描かれ方が雑だった。
米国政府の関係者は漫画的だった。
日本映画におかれては、報道の現場、行政の現場など、硬めな世界をもっとリアルに描いて欲しい。