【結果】受賞・ノミネート一覧

部門 受賞 ノミネート
作品賞 「新聞記者」

新聞記者
(配給:スターサンズ、イオン)

 監督:藤井道人

 予告編→

 Amazonビデオ→

 興行収入:5.5億円

■参考:キネマ旬報のベスト■
 ※歴代の作品賞→
主演男優賞 松坂桃李
(まつざか・とおり)

「新聞記者」
(配給:スターサンズ、イオン)

新聞記者

 作品一覧→

※松坂桃李は、超売れっ子俳優という地位に安住することなく、リスクの高い政治的な作品に挑んだ姿勢が高く評価されました。演技自体も説得力にあふれ、見事でした。2019年の助演男優賞に続く2年連続の最優秀賞となりました。 なお、2020年のノミネート選考では、国内の映画賞で連勝している池松壮亮(「宮本から君へ」)が候補から外れるという珍事が起きました。
  • 菅田将暉
    (すだ・まさき)
    「アルキメデスの大戦」
    (東宝)
     作品一覧→

  • 中井貴一
    「記憶にございません!」
    (東宝)
     作品一覧→

  • GACKT
    (ガクト)
    「翔んで埼玉」
    (東映)
     作品一覧→

  • 笑福亭鶴瓶
    (つるべ)
    「閉鎖病棟―それぞれの朝―」
    (東映)
     作品一覧→

■参考:キネ旬ベスト
1位:
池松壮亮(そうすけ)
「宮本から君へ」
(スターサンズ、角川)

2位:
成田凌
「カツベン!」
(東映)

3位:
松浦祐也
「岬の兄弟」
(プレシディオ)

 ※歴代の主演男優賞→
主演女優賞 シム・ウンギョン

「新聞記者」
(スターサンズ、イオン)

新聞記者

 作品一覧→

※韓国のシム・ウンギョンは、言葉のハードルを乗り越え国家権力と対峙する女性ジャーナリストの葛藤を静かに表現し、称賛されました。
  • 松岡茉優
    (まつおか・まゆ)
    「蜜蜂と遠雷」
    (東宝)
     作品一覧→

  • 吉永小百合
    「最高の人生の見つけ方」
    (ワーナー)
     作品一覧→

  • 宮沢りえ
    「人間失格 太宰治と3人の女たち」
    (松竹)
     作品一覧→

  • 二階堂ふみ
    「翔んで埼玉」
    (東映)
     作品一覧→

■参考:キネ旬ベスト
1位:
瀧内公美
(たきうち・くみ)
「火口のふたり」
(ファントム・フィルム)

2位:
筒井真理子
「よこがお」
(角川)

3位:
前田敦子
「旅のおわり世界のはじまり」
(東京テアトル)

 ※歴代の主演女優賞→
助演男優賞 吉沢亮

キングダム
(東宝、ソニー)

 作品一覧→

歴史アクション。累計発行部数4000万部超の人気漫画を実写化し、興収56・9億円(メーカー発表)を記録した。吉沢亮は、原作イメージを裏切らない熱演で好評を得た。

激動が続く春秋戦国時代の中国・秦が舞台。天下の大将軍を夢見る戦災孤児の信(山崎賢人)と、彼の幼馴染みに生き写しで、弟のクーデターによって国を追われた後の始皇帝、えい政(吉沢)による戦いを描く。

春秋戦国時代の宮殿を再現したオープンセットのある中国、象山影視城で撮影を敢行。スケール感に満ちた映像も絶賛された。
  • 柄本佑(えもと・たすく)
    「アルキメデスの大戦」(東宝)
     作品一覧→
  • 綾野剛
    「閉鎖病棟―それぞれの朝―」(東映)
     作品一覧→
  • 伊勢谷友介
    「翔んで埼玉」(東映)
     作品一覧→
  • 岡村隆史
    「決算!忠臣蔵」(松竹)
     作品一覧→

■参考:キネマ旬報の受賞者■

成田凌
「愛がなんだ」(エレファントハウス)、「さよならくちびる」(ギャガ)ほか
 作品一覧→

 ※歴代の助演男優賞→
助演女優賞 長澤まさみ

キングダム
(東宝、ソニー)

 作品一覧→
  • 小松菜奈(なな)
    「閉鎖病棟―それぞれの朝―」(東映)
     作品一覧→
  • 高畑充希(みつき)
    「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」(松竹)
     作品一覧→
  • 二階堂ふみ「人間失格 太宰治と3人の女たち」(松竹)
     作品一覧→
  • 天海祐希(あまみ・ゆうき)
    「最高の人生の見つけ方」(ワーナー)
     作品一覧→

■参考:キネマ旬報の受賞者■

池脇千鶴
「半世界」(キノフィルムズ)
 作品一覧→

 ※歴代の助演女優賞→
監督賞 武内英樹

翔んで埼玉
(東映)

 作品一覧→
  • 佐藤信介
    「キングダム」(東宝、ソニー)
     作品一覧→
  • 藤井道人
    「新聞記者」(スターサンズ、イオン)
     作品一覧→
  • 周防(すお)正行
    「カツベン!」(東映)
     作品一覧→
  • 平山秀幸
    「閉鎖病棟 それぞれの朝」(東映)
     作品一覧→

■参考:キネマ旬報の受賞者■

白石和彌
「ひとよ」(日活)、「凪(なぎ)待ち」(キノフィルムズ)、「麻雀放浪記2020」(東映)
 作品一覧→

 ※歴代の監督賞→
アニメ作品賞 天気の子

 予告編→

 Amazonビデオ→

(配給:東宝)

 ※歴代のアニメ賞→
脚本賞 翔んで埼玉
(東映)

徳永友一
  • 新聞記者」(スターサンズ、イオン)
    詩森ろば、高石明彦、藤井道人
  • カツベン!」(東映)
    片島章三
  • 閉鎖病棟―それぞれの朝―」(東映)
    平山秀幸
  • 記憶にございません!」(東宝)
    三谷幸喜

■参考:キネマ旬報の受賞者■

阪本順治
「半世界」(キノフィルムズ)
外国作品賞 ジョーカー

(公開:2019年10月)

 予告編→

 字幕版(Amazon)→

 吹替版(Amazon)→

 ※歴代の外国作品賞→
音楽賞 天気の子
(東宝)

ラッドウィンプス(RADWIMPS)

 動画→

 アルバム試聴(Amazon)→

 歴代の受賞者→
撮影賞 キングダム
(東宝、ソニー)

河津太郎
  • 蜜蜂と遠雷」(東宝)
    ピオトル・ニエミイスキ
  • 閉鎖病棟―それぞれの朝―」(東映)
    柴崎幸三
  • 翔んで埼玉」(東映)
    谷川創平
  • カツベン!」(東映)
    藤澤順一
美術賞 キングダム
(東宝、ソニー)

斎藤岩男
  • 翔んで埼玉」(東映)
    あべ木陽次
  • カツベン!」(東映)
    磯田典宏
  • アルキメデスの大戦」(東宝)
    上條安里
  • 閉鎖病棟―それぞれの朝―」(東映)
    中澤克巳
録音賞 蜜蜂と遠雷
(東宝)

久連石由文
  • カツベン!」(東映)
    郡弘道
  • 閉鎖病棟―それぞれの朝―」(東映)
    小松将人
  • キングダム」(東宝、ソニー)
    横野一氏工
  • 翔んで埼玉」(東映)
    加藤大和
照明賞 該当なし
  • キングダム」(東宝、ソニー)
  • 蜜蜂と遠雷」(東宝)
    宗賢次郎
  • 閉鎖病棟―それぞれの朝―」(東映)
    上田なりゆき
  • 翔んで埼玉」(東映)
    李家俊理
  • カツベン!」(東映)
    長田達也
編集賞 翔んで埼玉
(東映)

河村信二
  • キングダム」(東宝、ソニー)
    今井剛
  • 閉鎖病棟―それぞれの朝―」(東映)
    洲﨑千恵子
  • 新聞記者」(スターサンズ、イオン)
    古川達馬
  • アルキメデスの大戦」(東宝)
    宮島竜治
新人俳優賞
  • 鈴鹿央士(すずか・おうじ)
    蜜蜂と遠雷」(東宝)
  • 森崎ウィン
    蜜蜂と遠雷」(東宝)
  • 岸井ゆきの
    「愛がなんだ」(エレファントハウス)
  • 黒島結菜
    「カツベン!」(東映)
  • 吉岡里帆
    「見えない目撃者」「パラレルワールド・ラブストーリー」
  • 横浜流星「愛唄 約束のナクヒト」「いなくなれ、群青」「チア男子!!」

2020年のノミネート数のランキング

2020年の日本アカデミー賞の作品別のノミネート数のランキングです。 毎日映画コンクールのノミネート数と比較しています。

最多の「翔んで埼玉」は、毎日コンでは「ノミネート0」

日本アカデミー賞で最多ノミネートとなった「翔んで埼玉」と2番目に多かった「閉鎖病棟―それぞれの朝―」は、毎日映画コンクールではノミネートがゼロでした。 翔んで埼玉と閉鎖病棟はいずれも東映の作品です。 一方、毎日映画コンクールで「蜜蜂と遠雷」と並ぶ最多ノミネートだった「火口のふたり」は、 日本アカデミー賞ではノミネートがゼロでした。 火口のふたりは、ファントム・フィルムという独立系の小さい映画会社の作品です。


<ノミネート獲得数の順位(2020年)>
順位 日本アカデミー賞 毎日映画コンクール
1位 「翔んで埼玉」(12個)=東映 「火口のふたり」(8個)=ファントム・フィルム

「蜜蜂と遠雷」(8個)=東宝
2位 「閉鎖病棟―それぞれの朝―」(11個)=東映
3位 「キングダム」(9個)=東宝、ソニー 「半世界」(7個)=キノフィルムズ
4位 「カツベン!」(7個)=東映 「カツベン!」(5個)=東映

「ひとよ」(5個)=日活
5位 「新聞記者」(6個)=スターサンズ、イオン

「蜜蜂と遠雷」(6個)=東宝
6位 「宮本から君へ」(4個)=スターサンズ、KADOKAWA

毎日映画コンクールとは

毎日映画コンクールは、終戦直後の1946年に創設された歴史のある賞です。 映画の専門家や評論家が厳正な審査をしながら選考を進めるアワードとして知られています。 日本の映画賞としては「キネマ旬報ベストテン」の次に権威があると言われています。

2020年の日本の映画賞の結果一覧

作品賞 監督賞 主演 助演
キネ旬ベストテン 火口のふたり 白石和彌
「ひとよ」「凪待ち(なぎまち)」「麻雀放浪記2020」
【男優】
池松壮亮「宮本から君へ」

【女優】
瀧内公美「火口のふたり」
【男優】
成田凌「愛がなんだ」「さよならくちびる」 ほか

【女優】
池脇千鶴「半世界」
毎日映画コンクール 蜜蜂と遠雷

※次点は「新聞記者」
石川慶「蜜蜂と遠雷」 【男優】
成田凌「カツベン!」

【女優】
シム・ウンギョン「新聞記者」
【男優】
吉澤健「凪待ち(なぎまち)」

【女優】
池脇千鶴「半世界」
ヨコハマ映画祭 火口のふたり 今泉力哉「愛がなんだ」「アイネクライネナハトムジーク」

石川慶「蜜蜂と遠雷」
【男優】
池松壮亮「宮本から君へ」

【女優】
門脇麦「さよならくちびる」

小松菜奈「さよならくちびる」
【男優】
成田凌「さよならくちびる」「愛がなんだ」

【女優】
池脇千鶴「半世界」
日刊スポーツ映画大賞 新聞記者 真利子哲也「宮本から君へ」 【男優】
池松壮亮「宮本から君へ」

【女優】
松岡茉優「蜜蜂と遠雷」
【男優】
渋川清彦「半世界」「WE ARE LITTLE ZOMBIES」「閉鎖病棟 -それぞれの朝-」

【女優】
市川実日子「お父さん、チビがいなくなりました」「よこがお」
報知映画賞 蜜蜂と遠雷 佐藤信介「キングダム」 【男優】
中井貴一「記憶にございません!」

【女優】
長澤まさみ「コンフィデンスマンJP ロマンス編」「マスカレード・ホテル」
【男優】
成田凌「チワワちゃん」「愛がなんだ」「さよならくちびる」

【女優】
小松菜奈「来る」「閉鎖病棟-それぞれの朝-」
高崎映画祭 嵐電(らんでん) 真利子哲也「宮本から君へ」

常盤司郎「最初の晩餐」
【男優】
稲垣吾郎「半世界」

【女優】
シム・ウンギョン「ブルーアワーにぶっ飛ばす」

夏帆「ブルーアワーにぶっ飛ばす」
【男優】
窪塚洋介「最初の晩餐」

【女優】
斉藤由貴「最初の晩餐」
TAMA映画賞 嵐電

長いお別れ
【男優】
山﨑努、井浦新

【女優】
蒼井優、前田敦子
山路ふみ子映画賞 蜜蜂と遠雷(石川慶監督) 【女優】
前田敦子
ブルーリボン賞 翔んで埼玉 真利子哲也「宮本から君へ」 【男優】
中井貴一「記憶にございません!」

【女優】
長澤まさみ「コンフィデンスマンJP―ロマンス編―」
【男優】
吉沢亮「キングダム」

【女優】
MEGUMI「台風家族」「ひとよ」

キネマ旬報ベストテン(2019年)

順位 作品名
火口のふたり(かこうのふたり)」
 予告編→
 Amazonビデオ→
(配給:ファントム・フィルム)
半世界
 予告編→
 Amazonビデオ→
(配給:キノフィルムズ)
宮本から君へ
 予告編→
 Amazonビデオ→
(配給:スターサンズ、KADOKAWA)
よこがお
 予告編→
 Amazonビデオ→
(配給:KADOKAWA)
蜜蜂と遠雷(みつばちとえんらい)」
 予告編→
 Amazonビデオ→
(配給:東宝)

※詳しくは、2月5日発売の雑誌「キネマ旬報 ベストテン特別号に掲載されています。

キネマ旬報ベストテン【読者選出】(2019年)

順位 作品名
半世界
 予告編→
 Amazonビデオ→
(配給:キノフィルムズ)
凪待ち(なぎまち)」
 予告編→
 Amazonビデオ→
(配給:キノフィルムズ)
新聞記者
 予告編→
 Amazonビデオ→
(配給:スターサンズ、イオン)
ひとよ
 予告編→
 Amazonビデオ→
(配給:日活)
天気の子
 予告編→
 Amazonビデオ→
(配給:東宝)

※詳しくは、2月5日発売の雑誌「キネマ旬報 ベストテン特別号に掲載されています。

ヨコハマ映画祭ベストテン(2019年)

順位 作品名
火口のふたり(かこうのふたり)」
 予告編→
 Amazonビデオ→
(配給:ファントム・フィルム)
蜜蜂と遠雷(みつばちとえんらい)」
 予告編→
 Amazonビデオ→
(配給:東宝)
愛がなんだ
 予告編→
 Amazonビデオ→
(配給:エレファントハウス)
宮本から君へ
 予告編→
 Amazonビデオ→
(配給:スターサンズ、KADOKAWA)
半世界
 予告編→
 Amazonビデオ→
(配給:キノフィルムズ)
新聞記者
 予告編→
 Amazon→
(配給:スターサンズ、イオン)
ひとよ
 予告編→
 Amazonビデオ→
(配給:日活)
岬の兄妹
 予告編→
 Amazonビデオ→
(配給:プレシディオ)
よこがお
 予告編→
 Amazonビデオ→
(配給:KADOKAWA)
10 さよならくちびる
 予告編→
 Amazonビデオ→
(配給:ギャガ)
次点 凪待ち(なぎまち)」
 予告編→
 Amazonビデオ→
(配給:キノフィルムズ)

映画芸術「日本映画ベスト」

季刊雑誌「映画芸術」選出の「2019年日本映画ベスト」です。

順位 作品名
火口のふたり(かこうのふたり)」
 予告編→
 Amazonビデオ→
(配給:ファントム・フィルム)
半世界
 予告編→
 Amazonビデオ→
(配給:キノフィルムズ)
宮本から君へ
 予告編→
 Amazonビデオ→
(配給:スターサンズ、KADOKAWA)
嵐電」(らんでん)
 予告編→
 Amazonビデオ→
 U-NEXT→
(配給:ミグラントバーズ、マジックアワー)
よこがお
 予告編→
 Amazonビデオ→
(配給:KADOKAWA)

※出典:雑誌「映画芸術 2020年2月号

作品賞ノミネートの「キネ旬」でのランキング

日本アカデミー賞の作品賞にノミネートされた映画の「キネマ旬報ベストテン」でのランキングです。

作品名 順位
蜜蜂と遠雷 5位
新聞記者 11位
閉鎖病棟―それぞれの朝― 24位
翔んで埼玉 35位
キングダム 83位

※出典:雑誌「キネマ旬報 ベストテン特別号

作品賞の有力候補「蜜蜂と遠雷」とは

国際的なピアノコンクールを舞台に、 4人の才能あふれるピアニストの姿を描く。 クラシック演奏の世界に正面から挑んだ本格的な音楽映画。 150万部を超えるベストセラーとなった同名の小説(作・恩田陸)を映画化した。 公開日は2019年10月4日。


評価・評判

2020年の邦画の中で、トップの高評価を得た。

ピアニストたちの心情や葛藤が巧みに描写されている。 それを実現した新鮮で美しい映像表現が称賛された。
ピアノの演奏シーンや音楽のクオリティの高さも好評を博した。 「映像化は不可能」とも言われた小説だったが、あえて実写化に挑戦。 独創性あふれるアプローチで、2時間の作品にまとめあげた。 役者陣の演技も好評を博した。

ただ、主要キャストの中で、斉藤由貴の演技は評判があまり良くなかった。残念ながら緊張感やリアリティが感じられないセリフや表情。英語のセリフも不自然だった。


物語

若手ピアニストの登竜門とされ、世界のピアノ界からも注目を集めている「芳ケ江国際ピアノコンクール」。 10回目となる大会に、7年前に表舞台から去った元・天才少女の亜夜(松岡茉優)が出場する。 そして、アメリカの一流音楽大学に在席し、期待の新生として人気を集めるマサル(森崎ウィン)も参加。 さらに、亡きピアノの巨匠の推薦状を持って現れた謎の天才少年(鈴鹿央士)が、破壊力のある演奏を見せる。 並み居る出場者たちの中で、音楽の神様に愛され、最後に勝つのは誰か-。


監督は若手の石川慶

石川慶監督は1977年生まれ(映画公開時点で42歳)。 長編映画は2作目となる。 1作目の「愚行録」(Amazon→)は高い評価を得た。
本作では、自ら脚本と編集も手掛けた。 原作を尊重したうえで、映像として独自の表現を目指したという。
愛知県豊橋市出身。東北大学(物理学科)を卒業後、東欧ポーランドの国立映画大学で映画製作を学んだ。 本作では、大学時代の仲間だったポーランド人カメラマンと組んだ。演奏シーンを360度撮影するなど、斬新なカメラワークも目を引く。


原作

原作は、超人気の女性作家、恩田陸(おんだ・りく)の小説。 2016年に発刊され、ベストセラーとなった。 「直木賞」と「本屋大賞」をダブル受賞した。


主人公のピアニスト4人

登場人物 役者 ピアノ演奏者
栄伝亜夜
(えいでん・あや)

日本代表。「天才少女」として世界のピアノ界の脚光を浴びたが、 あることがきっかけで、心に傷を負い、表舞台から去っていた。
松岡茉優
(まつおか・まゆ)

「万引き家族」の脇役(主人公の妹)などで知られる女優。 本作で主演女優賞にノミネートされた。
河村尚子
(かわむら・ひさこ)

映画の演奏アルバム(Amazon)→
風間塵
(かざま・じん)

日本出身で、フランス在住。16歳。 父親がミツバチを飼育する「養蜂(ようほう)」の仕事を営んでいる。 麦わら帽子をかぶっている。
ピアノ界では全く無名の存在だったが、 巨匠ホフマンに見いだされ、突如、コンクールにすい星のごとくあらわれた。
鈴鹿央士
(すずか・おうじ)

本作でデビューした新人俳優。映画のエキストラに参加しているところを、女優・広瀬すずに見いだされ、スカウトされた。 本作の演技が絶賛され、新人俳優賞を受賞した。
藤田真央
(ふじた・まお)

本物の若き天才ピアニスト。

映画の演奏アルバム(Amazon)→
マサル・カルロス

日本出身で、米ニューヨークの名門音楽大学ジュリアードに留学中。 すでにプロとして活動している。 甘いルックス。「王子」と呼ばれている。 栄伝亜夜と幼なじみ。
森崎ウィン

ミャンマー出身で、小学4年生から日本在住。美しい英語を話す。スピルバーグ監督のSF映画「レディ・プレイヤー1」にも出演した。世界に通用するイケメン。
金子三勇士
(かねこ・みゆじ)

映画の演奏アルバム(Amazon)→
高島明石

田舎のピアノ店に勤務するサラリーマン。 妻、息子と暮らすお父さんでもある。 「生活者の音楽」を掲げる。 コンクールの年齢制限ぎりぎりの28歳。 「これでダメならピアノをやめる」という思いで臨む。
松坂桃李
(まつざか・とおり)

日本を代表する第一線の俳優。「孤狼の血」(2018年)の助演男優として、キネマ旬報や日アカなどの映画賞を総なめにした。 さらに、2020年には「新聞記者」で日アカの主演男優賞を受賞した。
福間洸太朗
(ふくま・こうたろう)

映画の演奏アルバム(Amazon)→

日アカ作品賞ノミネートの興行収入

順位 題名 興行収入
キングダム 57.3億円
翔んで埼玉 37.6億円
蜜蜂と遠雷
説明
9.0億円
新聞記者 5.5億円
閉鎖病棟 -それぞれの朝- 3.9億円

【参考】2019年の映画の興行収入ランキング(日本国内、年間)

順位 題名 興行収入
天気の子
 予告編→
 Amazonビデオ→
(配給:東宝)
140.6億円
アナと雪の女王2 127.8億円
アラジン 121.6億円
トイ・ストーリー4 100億円
名探偵コナン 紺青の拳(こんじょうのフィスト)
 予告編→
 Amazon→
(配給:東宝)
93.7億円
スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け 67.5億円
ライオン・キング 66.7億円
アベンジャーズ/エンドゲーム 61.3億円
キングダム
 予告編→
 Amazonビデオ→
(配給:東宝、ソニー)
57.3億円
10 ワンピース・スタンピード(ONE PIECE STAMPEDE)
 予告編→ Amazonビデオ→
 ワンピース映画一覧
(配給:東映)
55.5億円

日本アカデミー賞の投票権者の人数と内訳

日本アカデミー賞の選考において、 投票ができる人(有権者)の人数と内訳です。 主催者の「日本アカデミー賞協会」の会員になると、投票の権利を持つことができます。

有権者の総数 3,959人

所属・職業の内訳

所属・職業
(所属する会社)
人数
東映、東宝、松竹、KADOKAWAの4社

=日本映画製作者連盟(通称「映連」)を構成する大手映画配給会社
985人
俳優、マネージャー 132人
監督 117人

ノミネートから漏れた作品・人物

他の映画賞にノミネートされたものの、日本アカデミー賞のノミネートから漏れた作品・人物の一覧です。 <有力>と書かれているのは、アワード・ウォッチ編集部の事前予想でノミネートを有力視していた候補者です。

作品賞

主演男優賞

  • <有力>池松壮亮
    「宮本から君へ」
  • <有力>佐藤健
    「ひとよ」「サムライマラソン」
  • <有力>稲垣吾郎
    「半世界」
  • 柄本佑
    「火口のふたり」
  • 香取慎吾
    「凪待ち(なぎまち)」
  • 成田凌
    「カツベン!」
  • 大泉洋
    「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」「そらのレストラン」

主演女優賞

  • <最有力>筒井真理子
    「よこがお」
  • <有力>蒼井優
    「宮本から君へ」「長いお別れ」
  • 田中裕子
    「ひとよ」
  • 瀧内公美
    「火口のふたり」
  • 門脇麦
    「さよならくちびる」「チワワちゃん」
  • 前田敦子
    「旅のおわり世界のはじまり」
  • 吉岡里帆
    「見えない目撃者」
  • 岸井ゆきの
    「愛がなんだ」

助演男優賞

  • <有力>成田凌
    「愛がなんだ」「さよならくちびる」「チワワちゃん」
  • <有力>長谷川博己
    「半世界」
  • 渋川清彦
    「半世界」
  • 鈴鹿央士
    「蜜蜂と遠雷」
  • 吉澤健
    「凪(なぎ)待ち」
  • 森崎ウィン
    「蜜蜂と遠雷」
  • 鈴木亮平
    「ひとよ」
  • 草なぎ剛
    「まく子」
  • 松坂桃李
    「蜜蜂と遠雷」
  • 中村倫也
    「長いお別れ」「台風家族」

助演女優賞

  • <有力>市川実日子
    「よこがお」
  • <有力>MEGUMI
    「台風家族」「アイネクライネナハトムジーク」「ひとよ」
  • <有力>松岡茉優
    「ひとよ」
  • <有力>池脇千鶴
    「半世界」
  • 片岡礼子
    「楽園」
  • シム・ウンギョン
    「ブルーアワーにぶっ飛ばす」
  • 田中裕子
    「ひとよ」「ねことじいちゃん」
  • 前田敦子
    「町田くんの世界」
  • 桜井ユキ
    「コンフィデンスマンJP ロマンス編」「マチネの終わりに」
  • 斉藤由貴
    「記憶にございません!」「最初の晩餐」
  • 杉咲花
    「十二人の死にたい子どもたち」「楽園」
  • 深川麻衣
    「愛がなんだ」
  • 松原智恵子
    「君がまた走り出すとき」「長いお別れ」

監督賞

  • <有力>白石和彌
    「凪待ち」「ひとよ」「麻雀放浪記2020」
  • <有力>真利子哲也
    「宮本から君へ」
  • <有力>石川慶
    「蜜蜂と遠雷」
  • <有力>荒井晴彦
    「火口のふたり」
  • 今泉力哉
    「愛がなんだ」
  • 阪本順治
    「半世界」
  • 岬の兄妹
    片山慎三

アニメ作品賞

  • ある日本の絵描き少年
     予告編→
  • 鬼とやなり
     予告編→
  • 海獣の子供
     予告編→
  • きみと、波にのれたら
     予告編→
  • くじらの湯
     予告編→
  • プロメア
     予告編→
  • サイシュ~ワ
  • 『四月』Pieces of April
  • 深海の紅
  • 絶望の怪物
     予告編→
  • 創造的進化
  • 澡堂的象―浴場の象―

新人賞

  • 清原果耶
    「愛唄 約束のナクヒト」「デイアンドナイト」「いちごの唄」
  • 関水渚
    「町田くんの世界」
  • 玉城ティナ
    「チワワちゃん」「Diner ダイナー」「惡の華」「地獄少女」
  • 細田佳央太
    「町田くんの世界」
  • 新津ちせ
    「駅までの道をおしえて」
  • YOSHI
    「タロウのバカ」

脚本賞

  • 火口のふたり
    荒井晴彦
  • 岬の兄妹
    片山慎三
  • 半世界
    阪本順治
  • ひとよ
    高橋泉

音楽賞

  • さよならくちびる
    きだしゅんすけ
  • アルキメデスの大戦
    佐藤直紀
  • 火口のふたり
    下田逸郎

撮影賞

  • 旅のおわり世界のはじまり
    芹澤明子
  • 火口のふたり
    川上皓市
  • ある船頭の話
    クリストファー・ドイル
  • 楽園
    鍋島淳裕

美術賞

  • 蜜蜂と遠雷
    我妻弘之
  • 楽園
    磯見俊裕
  • ひとよ
    今村力
  • 人間失格 太宰治と3人の女たち
    Enzo

録音賞

  • 火口のふたり
    深田晃
  • さよならくちびる
    鶴巻仁
  • 半世界
    藤本賢一